紅茶とインフルエンザウイルス

久しぶりの更新です。
インフルエンザが流行に突入し、受験の季節でもあることから、インフルエンザが話題になっていますね。 やれインフルエンザワクチンは効かないだの、紅茶が効くだのそれは宣伝でインチキだのなんかいろいろですが、いろいろ気になったことがあり、久しぶりにブログを書きます。

紅茶屋の店主ですが学生時代にはバイオハザードが設定されている研究室にいたことがあります。かゆうま。

といっても、応用化学科の生化学なので分子生物とか細胞工学です。と言うと、伝わる人には伝わるのですが、伝わらない人には多分三年ぐらい説明しても伝わるか怪しいので、ここではパス。簡単に言うと大腸菌よりも小っこいDNAな世界。話題になったところで言うと、スタップ細胞はありまぁぁすの人が多分同じ系統です・・・まぁ、違うけど、そんな感じ。

ワクチン

ワクチンは免疫を獲得するために打つもので掛かった後に打っても意味ないですし、インフルエンザA型を打ってもB型に感染するとかはあります。ワクチンを打ったのに重症化したとか、否定的な考えを持たれる方もいますが、脳炎や肺炎などの合併症に軽減に有効だと言われていますね。掛かったあとの解熱剤的なことを目的としたものではないです。

インフルエンザのワクチン接種は、通常生ワクチンによりおこなれます。
病院もそれを製薬会社から仕入れて予防接種するのですが、生ワクチンは1シーズンしか持たず使用消費期限があります。ワクチン製造にも時間がかかるので受注製造に近く、病院がワクチンを仕入れたけど、実際の流行の型が違ったとか、希望摂取者が居なかったでは無駄になってしまうので、ここらへんで経済的合理が働き商売っぽい側面があるのも事実です。

病院の先生でワクチンとか打ったことねぇけど罹らねぇって意見が取り上げられていましたが、これはウイルスに弱暴露しつづけているので生ワクチンを粘膜摂取しているようなもんだからじゃねぇのと思います。じゃなかったら内科の先生も毎回、風邪引いちゃうよね。

信仰上の理由でワクチンを打たないことを教義にされている宗教もあるようですが・・・。今、factfulnessっていうハンス・ロスリングさんが書いた本を読んでるんだけど、公衆衛生の改善に寄与して明確に乳幼児死亡率を下げているのはワクチンとかで、これらは個人の問題ではなく、群れ、公衆衛生の話しなので、公衆衛生に反目するなら、病原体の媒体にならないように気をつけてくださいね。と。まぁ、信仰はセンシティブな問題なので、これはこれくらいで。

比較的古い宗教には有鉤嚢虫などのご当地の寄生虫や病原体をうけて、豚を食べない、牛を食べない、四足動物を食わないなどの戒律化がみられますが、逆って珍しいですよね?

自分はインフルエンザのワクチンは打ってませんが、ここ数年、流行の気配がある麻しん(はしか)のワクチンは数年前に打ちました。インフルの数倍と馬鹿みたいに感染力があって、江戸時代には命定めと呼ばれた重症化の危険性があり後遺症がのこる合併症が多さにびびった結果です。死ぬのはまぁしょうがないとして後遺症はやだなと。

ウイルス

ウイルスは菌とも混同されがちですが、大きさが全然違います。
寄生虫(アニサキス)は 10mm、真菌類(青カビ)0.1mm 、菌(大腸菌)は0.002mm、ウイルス (ノロ)は 0.000030mmです。ウイルスは素焼きの植木鉢を素通りできる大きさで、マスクとかが捕まえているのは、ウイルスそのものというよりはウイルスを含んだ水滴飛沫です。

勘違いされがちなんですが、ウイルスは生物ではないので死にませんし殺せもしません。機能させなくなることを不活化といいます。

ウイルスは宿主の細胞にお邪魔して居候することで増えます。なので増え方も細胞増殖よろしく1つが2つに2つが4つに4つが8つにと倍々で増えていきます。ウイルスも宿主を殺してしまっては増えられないので、長い目で見ると、弱毒化する方向に進化(?)します。新型のウイルスがやべぇのは誰も免疫を持っておらず、ウイルスも手加減がわからないので宿主ごと殺しまくってしまうことです。宿主を殺しても他の個体に感染して増えられるあいだは、いけるところまでいっちゃうのです。

まだ人の人口密度がそれほどでもなかった時代に1億人近くの死者出したスペイン風邪(現在のA型インフルエンザウイルス H1N1亜型)のように、次のパンデミックが予見されているH7N9亜型(通称:鳥インフルエンザ)とかは流行初期には大量の死者を出すでしょう。人類が大量絶滅するとしたら戦争なんかよりも、新型ウイルスか破局噴火(ウルトラプリニー式)なのかなっと。

紅茶とウイルス

さてさて、ようやく本題!

もう何十年も前の大学の研究室時代、国家公務員試験を受けるだとかで一人だけ研究実験をせずに、文献調査だけで乗り切ったツワモノが居ました。彼女が研究していたのが、まさにポリフェノールで、紅茶だのワインも赤はいいけど白はないだのと研究室内発表していたのをなんとなく走馬灯のように思い出しました。こっちが大腸菌とかと格闘しているときに紅茶だのワインだの優雅じゃねぇかおい、羨ましいなと。もしかしたら、自分が紅茶屋を始めた理由の数%にはこれがあるかもしれません。

それで、これ。

驚愕報告!インフルエンザウイルスを15秒で無力化する「紅茶」の力
gendai.ismedia.jp/articles/-/58804

日東紅茶の三井農林、面白グラフと無理矢理統計で「インフルエンザウイルス対策には紅茶」と宣伝
kabumatome.doorblog.jp/archives/65934846.html

まず最初に、うちは三井農林さんとは取引はなく直接の利害関係はありません。狭い業界なのでお会いしたことはありますし話しを聞かせてくれと訪問を受けたこともありますが、売るほどはないので流通には乗せられないけどいい茶葉はあるんですよー、と、うらやましげな話しをするだけして飲ませてくれなかったので、カップ叩きながら待っているぐらいの関係です。のみたいなー。

で、この記事が出たときも、あらあらと思ったんだけど、これに対してのリアクションもなんか変で、書いといたほうがいいんじゃねと思った次第。

前提条件なんですが、認可薬剤以外が効果効用を謳うことは日本の薬事法で禁止されています。痩せる!とか、特定の病気に効く!とか書いていものを売るのは明確な法律違反です。

ネットショップでもハーブティーを扱うところは、モール系ネットショップでも別の審査があり厳しいです。ただ、漢方やハーバル(薬草/ハーブティー)などはそもそもが薬剤の元になっている成分を含んでいたりしているので完全に切りはなして扱うのも難しいのも事実で、いろいろ悩ましいですね。(薬と併せて飲んでしまうと問題があるハーブティーなどもあるので。)

で、前置きでも長々と書きましたが、ワクチンの世間理解も怪しく、ウイルスが生物ではないので不活化するという点がそもそも一般理解されていないので「インフルエンザウイルスを無力化できる」と、「インフルエンザに効く」とが混同されちゃうんじゃないかという懸念があります。

これは、感染抑止と罹患後の緩和ケアぐらい違うのだけど、そもそもインフルエンザで熱が出ているときはもう体内でウイルスが増えきった後で減りだしている段階です。自分の免疫系が頑張って減らしている最中だから熱がでているのであって、この区別ができない人がいるところにウイルス無力化って説明は勘違いした人がでるのもやむないかもと。もっとも、薬とか病気にならない人間はいないんだから義務教育でここらぐらいまではやらったらーとも思う内容ですが。

次に、比較対照実験はコントロールに水(お湯)をおくべきだったなと思いました。飛沫(くしゃみで飛んだ唾とかの水滴)による感染が主な手段のインフルエンザウイルスが冬に流行するのは空気中の湿度が低いからです。乾燥した空気で、気道粘膜の防御機能が低下しているため感染に至ります。つまるところ、満員電車や職場といった狭い空間で感染者の唾が舞う空間にいなければ感染らずに済むのです。

湯気がでているお茶とかをこまめに給水できている環境下は、こまめに手洗いやうがいができる環境にいるということで、そもそもがそれで十分なのかもしれません。わたしも紅茶屋をやってからいちどもインフルエンザにはかかっていませんが、単に満員電車に乗らなくなったからだと考えています。
杉下右京さんみたいな人が電車の中で紅茶を入れているようなのどかな環境になれば、インフルエンザは社会流行せずに済むことでしょう。茶飛沫が飛んでくるじゃねぇかとか、違う問題が生まれそうですが・・・。

あと、これは興味からですが、ミルクティーは不活化効果がないみたいな話しも聞くので、これも比較対象に入れてほしいです。原因はミセル化かなと思ったんだけど、違うんじゃないと言う人もいるし、どうなのよ?と気になってるところです。

で、これに対する批判のほう。
科学的な論拠から対数グラフが逆で超面白い、アホだの、科学的基礎知識がないのかぐらいの批判がみられました。

gendai.ismedia.jp/articles/-/58804

このグラフね。
これですが、逆に自分はこのグラフにあまり違和感がありません。
というのも、ウイルスは倍々と指数的に増えるために不活化させたときはその残存率が重要な意味を持ちます。

ウイルスが細胞に感染出来るような最低濃度のことを、ウイルス価とか力価とか感染価とか言ったりしますが、この力価を超える数が残るなら、あとは時間の問題でしかなくなるので97%と9%が同じ意味になることがあります。図では99.90以上が十分な効果ありと、99.90~99.00に効果ありとなっていますが、そこらあたりにインフルエンザウイルスの感染価があるのでしょう。たぶん。

例えば人の免疫系という城を突破するのにバーフバリみたいな人が数人いれば城壁を突破できるウイルス軍から(バーフバリ見てないので全然ちがうかも)、落城させるのに数百、数千、数十万の軍が必要なものまで様々です。ノロウイルスは最初に数個あるだけで落城させられるのでバーフバリ系。インフルは確かそれよりは弱かったと記憶しているけれども、確かウイルスの中では強い方じゃなかったっけ? ぐぐっても数がすぐ出てきませんね・・・。

・・・。
長くなってきたのでここらで結論。
手洗いうがいをして、水分をこまめにとってください!
水分過剰になると水中毒になりますので、適度に何かが水分中に溶け出た薄めのお茶などがよいかもしれません。お茶なら利尿作用があるので、細胞が浸透圧でパンパンになることもありません。

若い子がおやすみ前にカフェイン入りのものを飲むと睡眠障害につながり学習にも影響が出ます。糖分やカフェインのとり過ぎには注意してください。夜はカフェインが少なめの、ほうじ茶とかがいいかもしれません。寝ないで勉強するより寝たほうがいいよ!

多くの受験生と接する職業の方はワクチンを打ってください。本人が症状がでなくても感染していて、ウイルスの培養装置、人に感染させる係になることがあります。お向かいの塾の先生たちはバイト含めて予防接種をしているそうです。偉いよね。

というわけで、紅茶屋なのにまさかのほうじ茶エンドでした。
なお当店ではほうじ茶は扱っていません・・・。

んー。なんだろ、代わりにリーズナブルなケニア紅茶でも薦めておきます!

item.rakuten.co.jp/hagurachaya/ky-611

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