紅茶と糖尿病

宿題をもらっていたのでした。
某大医化学の名誉教授の方から人づてに(名前などは当方の判断で伏せておきます。)紅茶の宣伝に使って下さいと、わざわざお寄せいただいた情報があったのですが、当方がよくわかっていなかったので先送りしてしまっていました。
時間をおいてしまいましたが街の紅茶屋の立場では元の論文を確認できないし妥当性の評価もできないので、ご案内いただいた概略だけでもそのままご案内しておきます。
紅茶と糖尿病の関係についての報告です。

スイス・Data Mining InternationalのA. Beresniak氏は、各国ごとの紅茶の消費量と糖尿病を含む重要な疾患の有病率の関連についてデータマイニングと統計学的手法を用いて検討し、12月4~8日にアラブ首長国連邦、ドバイで開催された第21回世界糖尿病会議:IDF2011で報告した。
(中略)
一人当たりの紅茶の消費量と糖尿病の有病率の間に、強い負の相関があることを推定させる結果である。その他の4つの疾患(呼吸器疾患、感染症、がん、心血管疾患)を示す矢印は、一人当たりの紅茶の消費量を示す矢印との間にこのような相関関係は認められなかった。
(中略)
一人当たりの紅茶の消費量と糖尿病の有病率の統計学的関係を確認したところ、p=0.01、相関係数(r2)=0.501と両者の間に統計学的に有意な負の相関関係があることが示された。すなわち、統計学的な有意差をもって、紅茶の消費量が増えるほど、糖尿病の有病率が減少することが確認された。
(中略)
今回の検討結果はデータマイニングの手法で得られたものであり、紅茶の消費量と糖尿病の有病率の因果関係は不明であるが、動物モデルやin vitroの研究において紅茶の高血糖抑制作用が報告されている。たとえば紅茶の成分の一つであるテアフラビンには腸管におけるグルコース吸収の抑制作用が報告されており、またフラボノイドは抗炎症、抗肥満効果を介して正常血糖の維持に寄与する可能性がある。
Beresniak氏は「今回の研究結果は紅茶と糖尿病の因果関係を説明するものではないが、紅茶の成分に関する生物学的あるいは生理学的な研究と一致する内容を示唆している」
(中略)
(IDF取材チーム)

簡単に解説します。

「一人当たりの紅茶の消費量」と5大疾患の相関関係を統計的に調べたそうです。
その結果、がんやその他の病気と紅茶の消費量に関連性は見いだせなかったそうですが、糖尿病には統計亭有意な相関関係がみとめられたとのことです。だから疫学的因果関係まで確認できるように国際的に試験していきましょうという提言のようです。近い将来また新たな発見があるかもしれませんね。情報をお寄せいただいた氏によると、「多分、信用できます。」との評価でした。

先日のブログで癌(この場合、血管新生抑制)に効果があったものとして紅茶や緑茶がリストアップされておりましたが、統計上は消費量と糖尿病以外の疾患には有意な差はなかったようですね。肥満が万病のもとなだけな気もしますが。
なんにせよ、効くからいいとかで偏ってしまうとそれはそれで違う問題を引き起こしますので、程良く良い塩梅で紅茶ものんでやってください。からだにいいからではなく、楽しみながらのむのがいちばんです。

以上、紅茶の宣伝でした。