レンジでチンで食中毒はかなりふせげるよ

時期的にこれからさらに増えるであろう食中毒について、一応バイオハザードが設定されてた研究室になぜかいた店長が、ちょっと覚えておくと便利なライフハックをお届けします。

レンジで30秒チンするだけで食中毒はかなりふせげるよ!

 

(゚д゚)<なるほど! レンジでチンすれば加熱されるもんねー
いや、いや、そういう側面もあるんだけどね、加熱殺菌に比べてはるかに効率がいいわけですよ。電子レンジによるマイクロウエーブ照射は生物系の研究室とかではかなり伝統的な簡易滅菌方法なのです。生物系の研究室もアガロース(菌を繁殖させる培地とかにつかうよ)の簡易滅菌につかうぐらいのベーシックな方法なのさ!

加熱殺菌は生煮えの部分があったり、完全に火が通らないとダメだったりするのがあるし、また、ちょっと言い方に誤解があるかもしれないけどセレウス菌やウェルシュ菌のように死骸に毒(芽胞)をもつものもあるんだ。だから加熱したからといって安全ではない。だけどレンジだとそこらへんも結構クリアされる。熱で菌のタンパク質を変性させて失活させるか、マイクロウエーブで菌の膜をこわしてしまうかの違いなのかな。まあちょっと詳細は調べてもないけども。

 

レンジでチンするとなぜ物があたたまるのかという仕組みの説明でもあるんだけど、マイクロウエーブくんが水分子を揺らして、ものをあたためるわけですね。で、その仕組みで水分子が揺らされると菌とかの細胞壁も壊してしまうので、菌も死んでしまうわけです。だから加熱による殺菌の速度よりも全然効率がいい。レンジで30秒とかチンするだけで75%ぐらい死ぬの。食中毒になるには、口にした菌数が発症必要菌数をうわまわる必要があるのだけど、口のなかにはいる菌数自体をある程度減らしてやれば、食中毒になる確率ががくんとさがるわけです。完全に滅菌するのにはレンジでも2~3分かけなきゃだめだけど、それでも75℃で3分という、一般指針の加熱殺菌よりは確実性と効率がいいです。

菌のすべてを取り除いたり殺すことは通常の環境下ではできないとおもったほうがいいです。しかし、人間の場合、唾液や胃液という強力な生体防衛システムがあります。この人間がもつ生体防衛システムと、加熱やレンジなどによる殺菌処理などをあわせれば食中毒などはかなりの確率で防ぐことができるわけですね。ちなみに紅茶とか、わさび、生姜とかみたいにそれそのものが殺菌、抗菌作用をもつ物もあるんですよ。昔ながらの生活の知恵に隠れた食べ合わせは重要ですね。

もっとも今回の生肉ユッケのO-111やO-157みたいに少ない菌数で発症しちゃうやつがあるので注意が必要です。自分も途上国などを旅行して病原性大腸菌O-1とか、その他おおよそのタイプの食中毒などは体験しているのではないかと思うのですが、ここらへんの変な病原菌は個人が衛生環境を気を付けたり知識があるからといって防げるものではありません。

O-111などは、たかだか100個ぐらいで発症菌数を満たすといいます。これは爪楊枝の先にちょっと付けたら十分ということです。サルモネラ菌は100万個以上必要だと考えるとこれは恐るべき数字ですよね。個人が気をつけてもなんともならない。お皿や調理器具に指紋分もつけただけでアウト。お箸をつけてもアウト。汚染されたまな板をつかってもアウト、それを洗おうとしてしぶきがとんでもアウト。こんなアウトだらけの環境下では危ない菌を扱っているという自覚のもと、訓練され、かつ管理された施設以外でなんとかなるものではありません。

 

今回、食中毒の件について、公開するのに時間をおいたのは、あまり個別の事象に推測を挟んでコメントするのもよくないと思ったからです。注意を喚起するという意図を汲みとたうえで誤解なく読んでもらいたいのですが、今回の食中毒事件には、少なからぬ震災の影響もあるのではないかと思うわけです。

今回事故につながった生肉は震災地域の廃用牛だとの報道があります。風評被害などがあり、震災地域の枝肉は通常価格より安く流通していたとの報道もあります。震災などによる肥育衛生環境へも被害はあったのでしょうか? 私がそれを知ることはできませんが、地震で牛がストレスを感じ免疫が低下しゲリする牛がでたと推測することぐらいはできます。つまり、平常時であれば顕在化しない病原性大腸菌がここでついてしまった可能性です。

さらに不幸であったのは、地震や停電で東日本全体の外食産業が落ち込んだこと。外食需要が減れば、卸の在庫回転率がおちます。また物流速度も低下していました。平時であれば増えなかった菌がここでさらに増えてしまった可能性です。

本当にいくつもの不幸が重なって、大きな不幸の連鎖がおきている気がしてなりません。東京はいまだに真っ暗です。焼き鳥やさんがBCPはどうしたらいいのだろうかと相談しだすご時世です。生肉を仕入れても保冷しておける冷蔵庫がない、最近は焼くのも電気だそうで、焼けもしない。換気もできない。商売ができないと嘆いています。
ちょっと暗いはなしになってしまいましたが、ちょっとした手立てや工夫で被害を防げたり最小化する方法があります。環境そのものが変わっておりますので、アンテナをぴょこんと立てておいていただけると、ほがらかに紅茶を飲んでいる余裕もうまれてくるのではないかと思います。

参考

www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/back/60-1.html

セレウス菌が作る毒素は嘔吐毒あるいはセレウリドと呼ばれ、極めて耐熱性の高い物質です。121℃,20分の高圧蒸気滅菌でも壊れないため、通常の加熱調理で壊れることはまずありません。黄色ブドウ球菌が作る毒素はエンテロトキシンと呼ばれ、嘔吐毒よりも耐熱性が低いものの100℃,30分の加熱でも壊れません。このため、食品中でいずれかの毒素が作られると、加熱調理しても大丈夫とは言えないのです。

 

簡易滅菌法としてのマイクロ波照射応用の試み

ousar.lib.okayama-u.ac.jp/file/16708/20100203103340/93_941.pdf

ousar.lib.okayama-u.ac.jp/metadata/16708

食中毒とその防止

www.tcn.zaq.ne.jp/kanno/public_html/chudoku.htm

 

殺人ユッケ事件について遅ればせながらクダまくよ

ameblo.jp/oharan/entry-10887143154.html

ユッケに「生肉向けでない」廃用牛の肉

www.yomiuri.co.jp/national/news/20110509-OYT1T00639.htm