紅茶のジャンピングを科学する

ブログが科学っぽいですねと言われたので、なんとなく悪乗りしてもっと科学してみようっと。
最近ジャンピングという単語を頻繁に見るきがします。ジャンピングってなんだろう?
簡単に説明をすると紅茶を淹れるときに、条件が整っていると発生する中の茶葉が跳ねるように上下する現象のことです。ジャンピングをおきるためのには条件が整っている必要があるので美味しい紅茶をいれる条件のように扱われています。

 
さて、このジャンピング。科学的にはいったいどうゆうことなのでしょうか。
そこらへんに書かれている説明を読んでも正直、科学的にはあまり腑におちません。そこで、今回は実験まではしないけれども予備考察というか実験計画的なものを考えてみようかとおもいます。

 

そもそもなぜジャンピングで美味しい紅茶がはいるのか

茶葉からお湯へ養分が溶出することにより「お茶」になります。この過程は、植物の葉である細胞壁から浸透圧により内容が溶媒であるお湯に溶出します。この浸透圧が発生する条件は溶媒の濃度が関係します。濃度と半透膜の実験は高校ぐらいの化学の教科書にでているとおもいますけれど、知らない人のために簡単に現象を説明すると、「濃いほうから薄いほうへ濃度が同じになるまで圧が発生する」ことをいいます。
お湯と茶葉だと、茶葉の細胞壁の中のほうが”濃い”ため、その内容物がお湯に溶け出るわけです。
お砂糖を水に溶かす実験を思い出してください。温度や時間はその条件を助けるものです。混ぜると速くとけるのはその接地面積が増えることによるものです。

 

科学的には高い温度で粉々にすりつぶした茶をかき混ぜるのがもっとも成分を早くだせる溶出法でしょう。しかしそれでは美味しくありません、渋みの成分である雑味も同時にでてきてしまうからです。粉茶の文化もあるので、あまりどれが正道だとか邪道だとかいいたくはありませんが、紅茶ではジャンピングにより自然対流のなかで上下することでその溶出の過程がすすむ姿が”理想”とされているというわけです。
全部を溶出したいわけではなく、選択的に成分溶出をしたいので温度や時間という条件がシビアになるわけです。
茶葉のジャンピングを観察できるということは、濃度の不均一化が防がれ溶媒(お湯)への成分の抽出が順調にすすんでいるというサインになっている可能性があります。

 

 

なぜジャンピングが起きるか

ここが腑におちないところです。
熱対流によるもの、空気の気泡によるものなど解説もバラバラです。説明も科学的ではないきがします。あと上記にも書きましたが茶がはいる過程を考えれば濃度差による濃度対流も考慮しなければいけないでしょう。

 

1.熱対流が原因でジャンピングがおきているかを確かめる実験

温かいお湯は上に、冷たい水は下にいくことからうまれる対流。その熱対流にのっかり茶葉が上下するのではないかという仮説。熱対流は循環対流になりやすいので、ジャンピングのような上下動はしえないのではないか?
実験としては、メスシリンダーのような縦長の容器に茶葉とお湯を入れ、熱対流がおこりやすいように氷を投下してみる。対流を観察しやすいように茶葉より軽いマーカー的なものを同時にいれて観察したい。
熱対流により茶葉がどのように動くかを観察。
熱対流が原因であれば、茶葉が沈んでいる底面の温度は低い状態であり、観察環境内で著しい温度ムラが発生していることになります。不均一環境下での安定な抽出は化学的には難しいのでおいしく入れられているサインとしてのジャンピングにはならないような気がします。

 

・もし熱対流がジャンピングの原因であれば、放熱するような環境や氷をいれたほうが美味しくはいるということになる。

2.濃度対流が原因でジャンピングがおきているかを確かめる実験

諸説あるなかで触れられていませんが化学的にはブラウン運動は忘れて欲しくないところです。あの砂糖とかが水に溶けるときに見えるモヤモヤですね。濃度による対流があるから混ぜないでも砂糖は時間があればとけるわけです。熱対流によるものよりも濃度対流によるもののほうが可能性としては高そうです。
これは茶の高濃度溶液をピペットなどでティーポットのなどの底面にゆっくり配置しその混ざる過程を観察することができるのではないでしょうか。濃度対流で茶葉が浮き上がるほどの対流がうまれるとはなかなか思えないが、可能性は排除しない。すぐ混ざってしまい観察が困難そうなので高濃度溶液側の粘性が高めになるように工夫をして観察をしたい。ゼラチンとか?

 

・もし濃度対流がジャンピングの原因であれば、多段階抽出をしたほうが美味しくはいるということになるのではないか。

 

3.気泡がジャンピングの原因であるかを確かめる実験

観察が目的であれば茶葉ではなく細かく刻んだ多孔質の紙片でもよい。試験体、もしくは水溶液中に溶存している空気が試験体におそらく毛細血管現象のように過飽和の空気が茶葉にあつまってその浮力により茶葉が上にあがり、空気が茶葉から離れることにより茶葉が沈むのではないかというもの。ジャンピングの現象を単純に観察するかぎりこれが可能性高いのではないかと思う。
実験としては空気が過飽和の溶液をつくり、その時の移動の様子を観察比較をすればよいので、極端なところでいうと炭酸水に茶葉や紙片をいれてみて挙動を観察するような実験でもおもしろいかもしれない。
・もし、溶存空気が原因であれば、茶葉の成分溶出の関係するところは、茶葉が混ざる点だがこれで混ざる量は定量的には限定的であり、そもそも溶存空気が多いほうが口当たりがまろやかであるなど茶葉の溶出のプロセスとは関係ないところで味覚に影響している可能性も出てくる。

 

 

 

という感じで、
はぐら茶屋からは以上です。
実験してレポよろ!