紅茶の空気をよむ

NHKのアサイチという番組で紅茶のいれかたという一連の特集があったそうで

95度でいれるといいんでしょ!
ゴールデンルール!
ジャンピング!

という感想があちらこちらから聞こえてきました。これだけで誰が出てたのかわかるところがなんか凄いなと…。
相棒の右京さんが紅茶を注ぐとき、ポットとカップをすごく離して入れるのですが、これもより空気が混じって口当たりがよくなるのだそうな。でもあれ、水谷豊さんが自分で考えた演出らしいですぞ。右京さん役を演じる水谷さんのインタビュー記事で書いてありました。右京さんがやればカックイイけど、リアルでやってる人がいたらお茶冷めちゃうよと、さめた指摘がしたいです。いけませんねぇ、ボクの悪い癖です。

 

空気が水に溶けるということについて

細かいことをうだうだ言うよ・・・。

泡立ちミルクティーを作るときに同じようなやり方をすることは見聞きします。これは科学的に納得できます。ミルクティーはタンパク質が溶存したある種のエマルジョン(分散質・分散媒が共に液体である分散系溶液)で、高校生ぐらいで習う化学だとミルクはコロイド溶液とかならったりしますよね。ミルクは空気を含ませることで細かく泡立たせることができる性質をもちます。

 

他方、紅茶にも茶葉からのタンパクは含まれますが、乳濁化するほどの量はありません。泡立てようとしてもなかなか泡立ちませんよね(茶葉によって泡立ちますが)。茶葉には20~30g/100gのタンパクが含まれるので抹茶ぐらい細かくして、茶葉ごと茶せんとかで泡立ててやる必要があります。ミルク抜きでカプチーノ、つくれない!
ペットボトルをシャカシャカ振ったときに細かな泡が水中にある状態と、水の中に空気が溶けているという状態は化学的にはまったくの別ものです。

  • 溶液中に気泡を多く含んでいる状態
  • 空気が水中に多く溶け込んでいる状態

くりかえしますが、これらは別物です。水は分散質ではないので気泡を内在しておくことができないので、気泡の浮力によりほどなく表面にでて空気中に開放されます。ちょっとしたエクセサイズで運動のあとに美味しい紅茶がのめる可能性はありますが、水を泡立てて空気を溶かすのは結構大変です…。
例えば炭酸水は二酸化炭素が水に溶けたものです。通常の圧力下で二酸化炭素をぶくぶくと吐き出して溶かしても、頭が痛くなるだけでなかなか炭酸水にはなってくれません。

 

水槽や池でポンプで空気を送って、泡をおくるのは、水面だけで空気と接しているよりも泡のように細かな球体を沢山つくるほうが、空気と水の接地面積が格段に大きくなるために酸素が溶けやすくなるという理由からです。

 

空気が溶けるというのは具体的にはどういうことかというと、砂糖が水に最大どれだけ溶けるかというものと同じことです。理科の実験でやりましたね。溶存限界に達するまでは溶かすことができるわけです。
ここらへんの限界値は理科年表あたりにもでてそうですが、インターネットでちょろっと検索したらこんなグラフがでてきました。
水のなかに溶存可能な空気の量

無題

10℃でリッターあたり25mL
60℃でリッターあたり10mL
80℃でリッターあたり7mL
100℃でリッターあたり0mL

www.erc.jp/technology/41.pdf

 
砂糖と違い、空気(窒素や酸素、二酸化炭素などの混合物)は水が液体である温度では通常は気体ですので、温度が高くなればより活発になり水の中に溶けていられなくなります。念のため書いておきますと水が沸騰したときにでてくる気泡は空気ではなくて水が気化したものですよっと。
溶存しているものは異物に触れるなどの衝撃で晶出しやすくなりますので、空気がわずかながらに残ったお湯に茶葉などが触れると、気泡になるわけですね。ちゅうわけでジャンピングという現象は化学的には推論可能なものとは思いますが、気泡を含んだ状態と空気が溶けこんでいる状態は基本は別物ということでお願いします。

 

ちなみに、水道水に空気がたくさん入っているのは、水道は3階ぐらいまでは水道管直結の圧力で蛇口から水が出続けるぐらいの陽圧が掛けられているからです。圧力が高いのでより空気が溶け込むことが可能なわけですね。
マンションの場合は貯水槽水道方式と増圧直結給水方式があり、貯水槽方式は組み上げた貯め水を上から落とだけなので同じ水道といえどもまったく別物なので注意が必要です。
あと市販のミネラルウオーターとかって雑菌とかが増えないように窒素封入じゃないのかな?どうなの?

 
んー。なんか書いてたらよくわからない方向になってしまいました。
空気を多く含むと紅茶がおいしくなるって温度の目安以外になんか科学的な論拠あるんだろうか。あとは、溶質を破壊しないような弱循環をしてくれるか…。んー。

 
空気を多く溶かしこむだけなら加圧しながら電子レンジでチンしたら空気だけは溶けこんでそうだけどね(※水も気化するので圧力計算しないと爆発するので良い子は真似しないでね)、いやそもそもが茶葉に含まれる成分を溶出するのが目的なんだからお湯で溶けるのを待つんじゃなくて、常温で減圧したほうが…、いやでもそもそもポリフェノールみたいな高分子を狙い打って溶出させるなら熱水抽出じゃないとだめか。だけど、水に有機物溶かすの難しいからせめてアルコール溶媒で溶かしてから、アルコール酸化して、、ってそれもうお茶じゃないじゃない!!

 

まあ、ずいぶん細かいこといいましたが、忘れてください。

スタイルは人それぞれなので美味しくのめたらそれでいいじゃないか的な主義です。
ちなみにうちは95℃より、85℃、もう、低発酵な茶葉なんかはぶっちゃけ60℃ぐらいでもいいんじゃないかというぬるぽ組です。

 

いろいろ実験したいなー、ムーミンまみれにしていい研究室欲しいなぁ
せめて、右京さん注ぎに挑戦してあたりをびしょびしょにしてみようと思います。 では!
参考:

www.erc.jp/technology/41.pdf
allabout.co.jp/gm/gc/218768/
qnoken.ac.affrc.go.jp/qnoken/no67/67-019.pdf